翻訳とニュアンスの調律

英和辞典をペラペラめくっていると、たまたま”chew”の項目に目が留まった。

「かむ」という日本語を英語に訳すと、
bite:ひと口かむ
chew:よくかんで細かくする
crunch:音をたててかみ砕く
という風に、日本語では同じ「かむ」だが、
英語では明確に単語を使い分け、表現を区別しているらしい。

その項目を見て、例えば「噛み砕いて説明する」という表現も、
ひと口かんで「ほら」と続きは自分でかんでもらうのか、
よくかんで細かくして説明するのか、
音をたててかみ砕くことで、「こうやってやるんだよ」「楽しそうでしょ」と示すのか、
ほどくとニュアンスがいろいろありそうだなと思った。
一度翻訳を挟むことで、使おうとしている語のニュアンスが調律される。

英語学習のモチベーションは恥ずかしながら今のところあまりないのだが、
最近興味のあるジャンルのコンテンツが英語であることが多く、英和辞典が欲しくなった。
こういうものには、付箋が貼れたり線が引けたりする方が嬉しい。
自分に合う英和辞典を求めて古本屋を2軒訪ねた。

結果ライトハウス英和辞典を購入した。(おそらく最新版なのに古本価格で800円だった)
灯台のロゴのシンプルな装丁に惚れてしまった。

挿絵の雰囲気も非常に良い。
単語と訳がただズラッと並ぶだけでなく、積極的に図式を挟んでくれるのが嬉しい。
冒頭のように、ただペラペラめくっているだけでも目が留まるフックがあるのは良いなと思う。
また、こういう辞書は紙が分厚いとテンションが半減してしまうのだけど、紙の質も好きな感じだった。

良い買い物したな。

今日の猫